minofoto and miscellaneous notes

ごく気まぐれに,書きたいことを適当に書いています。本当の話かもしれませんし,フィクションかもしれません。

ネパール支援ほか


ネパールの地震はひどいことになっていますね。遅ればせながらちょっと支援しようと近所のネパール人がやっているカレー屋を訪問。カレーを食べて、募金箱に少し寄付。ナンが特大で、食べきれないくらいでした。これでナンお替わり自由と言われても、という感じでしたが、若者はおかわりしていました。



日曜の晩は、いわゆる「大阪都構想の是非」を問う住民投票の開票を固唾を呑んで見守りました。ほぼ同数で開票が進み、開票率 80 % 程度で賛成票が反対票を少し上回ってきたところで NHK が「反対票多数」の速報を出しました。驚きでした。

賛否両論分かれているようですが、私はあまり深い関心は持っていなかったので、荻上チキさんのラジオ番組 Podcast を興味深く聞きました。2015年05月18日(月)「大阪都構想をめぐる住民投票」(探究モード)

あと一歩が踏み込めない

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連休も関係なく仕事をしていますが、所用があって半日だけ京都に行きました。京都の裏路地はいいですね。
21 mm (35 mm 版換算で 32 mm 相当) レンズを持っていったのですが、久しぶりに広角レンズを持つと、一歩二歩踏み込んで写真を撮ることを忘れていますね。

thinking ?!

近所の猫の写真も、結局トリミングしてしまいました。

多忙なせいかこの1−2ヶ月肩凝りが酷いので、出勤前にマッサージでほぐしてもらったのに、その日一日仕事をしたらまた元に戻ってしまいました。とほほ

もう一歩踏み込まないと打開できなさそうです。

RawThrapee 4.2 のフィルムシミュレーションモード

気がついたら RawThrapee が 4.2 にバージョンアップして、フィルムシミュレーションモードが機能追加されていました。

詳しいことは RawPedia のフィルムシミュレーション を見れば分かりますが、RawTherapeeフィルムシミュレーション集をそこからダウンロードして、RawThrapee の環境設定パネルの画像処理タブから、ダウンロードしたシミュレーション集を指定してやれば良いだけです。適応する度合いも選べます。


試しに 100% で桜の写真に適用してみました。

まずは RawThrapee でよく使っているプリセットから。

R0012215_default R0012215_equilibrated
Default / Equilibrated


R0012215_punchy1 R0012215_punchy2
Punchy 1 / Punchy 2


R0012215_natural1 R0012215_natural2
Natural 1 / Natural 2


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Portrait Smooth

次に同じように、フィルムシミュレーションを適応してみます。使ったことがあるフィルムを中心に、ですが、あくまでこれはシミュレーションの結果です。まずはフジフイルムのネガフィルムから
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最初(左)がどこでも売っていた Superia 400。便利でしたが、硬いですね。続いてよく使っていた REARA 100。ちょっと高かったけど、リアラ仕上げとセットで常用していました。


続いてコダックのネガ Ektar 100 と Portra 160
R0012215_Ektar100 R0012215_Portra160
Ektar は REARA の後発商品らしいですね。使ったことはありませんが、これを見る限りリアラよりもなめらかですね。Portra NC は好きでしたが、使う機会はあまりありませんでした。


フジフイルムのリバーサルから
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最初(左)が標準的といわれる Provia 100F ですが、たぶん1回しか使ったことがありません。プリセットの Portrait Smooth を少しだけ硬くした感じです。意外に派手ですね。続いて(右が)ニュートラルな発色をする学術用途と言われていた SENSIA 100。プリセットの Default の彩度を少し落とした感じ。やや硬いのかな?


R0012215_ASTIA100F
ASTIA 100F。これは好きで何回か使いました。柔らかくて良い色ですね。プリセットの Natural 2 とも似ています。


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そして VELVIA 100 (General)。今見ると恐れるほど派手でもないような。プリセットの Punchy 2 と似て非なる発色です。


そしてコダックのリバーサル
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Ektachrome 100。フジとはかなり違う発色で、柔らかくいい色です。


いつしか、フィルムの時代は遠くなりました。世の多くの人が連休でどこに行こうか浮かれている一方、私はほぼ休みなしですが、これぐらいなら少しは遊べるかも...

天城山 万三郎岳

時間がなくてしばらく前のことになってしまいましたが、3月に伊豆の天城山に登ってきました。

一昨年末、冬の塔ノ岳から海の向こうにくっきりとそびえ立つ姿を見て、是非登ってみたいと思っていたのです。

東京 -こだま- 8:45 熱海 - 9:30 伊東 10:10 -バス- 11:00 天城高原ゴルフ場 - 12:05 万二郎岳 - 13:06 万三郎岳 - 15:17 四辻 - 下山


地図はこちらのリンクからも

熱海駅まで早朝の新幹線に乗り、伊東までは各駅停車で。こちらの方が特急踊り子よりも早く着きます。伊東で旅館に荷物を置かせてもらい、バスで天城高原ゴルフ場の登山口へ。ゴルフ場にはハイカー用のトイレと無料駐車場もありました。

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好天とは言えませんが、幸い雨も降っていません。東京からわずかな距離なのに、植生が温暖な気候を反映しているような雰囲気が楽しめました。
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バス停の標高が高いので、11時に登りはじめて、12時には万二郎岳の山頂に到着。山頂の碑の向かいの木に、石が乗せてあり、そこにカメラを乗せるとちょうど自分の姿をタイマーで写せるようになっていました。木の枝の上に勝手に石が乗るわけがないので、誰かが工夫して作ったままになっていたのでしょう。

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万二郎岳から万三郎岳を望む

ここからは稜線通しに気楽な縦走です。とはいえ、馬の背と名付けられた鋭い稜線も通過します。
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馬の背から谷底を見下す


雪が積もっているにも関わらず、南国を思わせる植生ですね。

そして最後の登りを経て山頂。

サーモスに入れてきたお湯を沸かし直して、アルファ米のカレーを食べました。寒いので、温かい食べ物が身にしみます。

このまま天城峠まで縦走したいところですが、時間がないので断念してゴルフ場に戻るコースをとりました。

雪がなくなってきたあたりで子鹿が登場。
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人に慣れているのか、かなり近づいても逃げませんでした。

帰りは、バスの時刻まで少し時間があったのでバス停ひとつ分歩きました。というのも、この一駅分歩くことでバス料金が1000円から500円に安くなることを行きのバスで知ってしまったからです。とはいえ、行きのバスでは近そうに見えた距離が、歩いてみると意外に時間がかかって焦りましたが。

下では早くも桜が散りかけていました。熱海桜という種類なのかな?

干物を買って帰宅。また行きたくなる、すぐ近くの南国の山でした。

スリランカカレー

先日ランチで中野駅南口側にあるスリランカカレー「アチャラ・ナータ」を訪れました。
雑居ビルの3階まで狭い階段を上ると、マンションの玄関のような重いドアが。まるでスナックのようです。中の雰囲気が分からないので、気の弱い方ならここでためらうでしょうが、ドアを開けると、決して広くはないのにとても良い雰囲気の空間が広がっています。

ご主人は、とても柔らかな雰囲気の方で、丁寧に解説してくれます。ランチはチキンかポークかを選べました。豆カレーもついてきます。オプションのトッピングも頼めました。

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パパダム(パパド)がとてもさっぱりしていて美味しいです。カレーも、南インドカレーに似ていますが、海の幸が入っているのかな?ちょっとスパイスの種類が違うような気がしました。最後に全部を混ぜて食べるのが良いとの事で、混ぜてみると見栄えはともかく、不思議な味になります。美味しいです。

夜もやっているようです。夜は早く終わってしまいますが、じっくり夜に来てみたいお店です。

閉められた扉

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読みました。
「村上さんのところ」として著者が読者のメールに答えるという企画をやっているのを見て、ふと思い出して古本屋で購入しました。ベストセラーとして一時期話題になっただけあって、よい状態の本がひどく安い値段で売られていました。

鼻先で扉がぴしゃりと閉められ、もう扉は開かないし、なぜそうなったかもわからない。そういう話から始まる小説です。

Beyond the gate

小学校の体育で、よく野球をやりました。実際はソフトボールだったのかもしれませんが、「野球」と呼んでいました。しかし野球のルールを教わったことは一度もありません。だからみんなきっと変なこともやっていたのでしょうが、しかし学年が進むと皆がだんだん複雑なルールを覚えるようになりました。私はそれについてゆけなかったので、ボールを打って1塁にたどり着いたのに訳も分からずに(自分が知らないルールのせいで)アウトにされることもあり、もやもやしたりして野球は嫌いになりました。

家ではテレビで野球を見る習慣のある人がいなかったので、親父と一緒に野球を楽しんでいる同級生にはどうあってもかなわなかったのでしょう。野球を見ない親父が悪いわけでもなく、ルールを教えない学校の先生が悪いわけでもない。理屈では文句の言いようもあるでしょうが、そういうことにはどうしようもないことがたくさんあります。ただ、人生のいろんな局面でも、ルールがわからないままゲームをせざるを得ないこと、ルールがわかったときにはもう試合が終わっていることは多々ありますね。

そんなことを思い出しました。

村上春樹ファンというわけではありませんが、しかし「多崎つくる」はちょっと味わい深い話でした。

梅の花

用事のついでに皇居に行ったら、梅の花が咲いていました。
皇居
皇居の梅の花

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和紙を作るときに使う「ミツマタ」です。本当に三つに分かれていますね。

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ランチは神保町の有名なカレー屋さん。本当にスマトラ島の味なのかは疑問ですが、おいしかった。

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ゆっくり本屋を見る時間はありませんでしたが、神保町の古本屋巡りも楽しそうですね。

古い RICOH の一眼レフ用レンズ XR RIKENON 50 mm F2 で撮っています。けっこうパキッと硬調に映るレンズですね。

地下に埋められた桃園川沿いにある小さな喫茶店

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古い民家の雰囲気がとてもなつかしい感じです。コーヒー飲みながら、置かれていたマンガ「もやしもん」を読みふけってしまいました。

生活感丸出しな感じで、ちょっと雰囲気に欠ける桃園川遊歩道ですが、その空気を豊かにしてくれるちょっといいお店ですね。こんな店が増えるといいなぁ。

金曜日のバーもちょっと気になります。

鍋焼きうどんを食べに鍋割山へ

一泊二日ぐらいで山に行きたいと思っていましたが、やむを得ない理由で日帰りに変更。丹沢鍋割山に、鍋割山荘名物の鍋焼きうどんを食べに行きました。

小田急線渋沢駅からバスで大倉へ。そこから後沢乗越経由の鍋割山稜ルートで登りました。

このルートは長いものの、登りはそれほどきつくありません。とはいえ、稜線はところどころ急坂を登ります。昨年とは違って、雪がほとんどなく、日差しが暖かい日だまりハイキングとなりました。ところどころに霜柱はたっていました。地中は凍っているようです。

早起きして、行動食もあまり持っていかなかったので、山頂に着く頃にはかなりおなかが空いていました。山荘はかなり混んでいたので、とりあえず小屋に着くとうどんを注文。小屋の外にまでうどん待ちの行列。ザックを下ろして注文書に名前を書き、呼ばれるのを20分くらい待ちました。

熱々のうどんには、4種類のきのこや大きなカボチャのてんぷらなどが入ってなかなか贅沢。体が温まります。


晴れて見晴らしには恵まれましたが、やや湿度が高く、冬らしいパキッとした展望ではありませんでした。富士山も雲に隠れていて残念。


帰りは塔ノ岳の方に登り返して、大倉尾根を下りました。丹沢山蛭ヶ岳、大山もくっきり見えていました。単調な下り坂とは言え、展望もよかったので楽しんで歩けました。


雪は北側の斜面にわずかについているのみ。アイゼンを用意していきましたが、出番はありませんでした。帰りに大倉バス停付近の畑の無人販売所で赤葱と里芋を購入。大倉バス停では丹沢の伏流水を使い、音楽を聞かせて醸造したという「しらささ」という日本酒も購入。しらささは、やや甘めのさっぱりしたお酒でした。

山に登る前に読む本

講談社ブルーバックスから出ている、能勢博著「山に登る前に読む本」がなかなか面白かったです。

ヒマラヤ登山の経験もある医者で生理学者でもある著者が、運動生理学という観点からの体力作りや装備、登山に必要な水や食料について解説した本です。ちゃんと生理学の議論につきあう必要がありますけど、なかなか興味深い本でした。

この本を読んで、3分間最大速度で歩いてみました。最後の1分間で歩いた距離は GPS でざっと見積もって 170 m。ちゃんと測れているのか自信がありませんが、体力や心拍数としてはまあ標準的なようです。この体力で 16 kg の荷物を担いで登ると、1時間に 160 m から 210 m 程度の高度を稼げるという見積もりになるそうです。思ったより遅い気もしますが、山の計画を立てるときには参考になりますね。

気温、湿度や高度と発汗量との関係や、効率的な水分の取り方など、山で役に立つ情報がたくさんあって、なかなか参考になります。ただ生理学的なデータを並べてあるだけの本ではなく、登山への愛が随所に感じられて、読んでいて楽しい本でした。

登山用カメラとレンズ

山ではほとんど RICOH の GXR と A16 ズームレンズを使っています。

学生時代に山に登っていたときは、何も知らないままカメラ屋の店員に熱く勧められたフィルムコンパクトカメラ RICOH FF-9 を使っていました。後から思えばその店員は良いものを勧めてくれました。当時のコンパクトカメラとは一線を画した無限遠にきちんとピントが合う機種だったので、山の写真を撮るのには重宝していました。

去年、久しぶりに山を再開したとき、広角単焦点がいいかと思いレンズを持って行きましたが、撮りはじめてすぐに後悔しました。山で広い風景を撮ると、どうしても単調になってしまいます。たまには良い広角レンズで撮った写真を大伸ばしすると、ディティールを楽しむことができていいですが、やっぱり焦点距離の長いレンズを使いたくなります。単に広い風景を撮りたいなら、iPhone のパノラマ写真モードで充分だったりしますし...

GXR の A16 は 24 mm 相当から 85 mm 相当までズームでき、24 mm でやや歪曲が気になる以外は隅々までシャープに写るので、使いでのあるレンズです。山では基本的に絞ってパンフォーカスで撮るので、F3.5-5.5 と暗くてもレンズが軽量なことがメリットです。25 cm まで寄れるので、マクロ的な写真も撮れます。

単焦点レンズも試したりしていますが、写真を撮るために山に行っているわけではなく、山に登るついでに写真を撮っているというスタンスなので、どうしても山の中で行動中にレンズ交換するのが億劫になります。山中だと特に落っことしたり、埃が入ったりするのが気になります。やっぱり山ではズームレンズが便利です。

P10 レンズユニットは、マクロも使え、35 mm 換算の 300 mm 相当までズームできるので、マクロで植物を拡大したり動物を撮ったりして楽しめますし、RAW 現像する場合はセンサーサイズの割にはかなり良い絵になるので、案外重宝しています。AF が遅いので、焦点距離∞のモード設定をしておくと、遠くの鳥などを素早く捕まえられます。

子猫 コゲラ


使いでがあるとは言え、GXR はもはやメーカーが販売中止にしたカメラですし、先立つものがあれば、山では防塵防滴のカメラにすると安心感がありますね。PENTAX K-3、OLYMPUS OM-D とか、NIKON-1 AW1 などに防塵防滴レンズを組み合わせるのが理想的かもしれませんね。

iPhone4S からガラケーへ

3年間使った iPhone 4S から 元のガラケー (featured phone) に戻しました。au ショップで SIM カードを発行してもらい、プラン変更をするだけ。プランEシンプルで月743円 + 消費税には、ezweb など全ての料金が含まれています。どうせほとんど通話しないし、メールは gmail に転送しているので、これでしばらく番号を保持しておきましょう。

手続きは簡単でしたが、メールが相変わらず WiFi 経由で iPhone 4S に届きます。ガラケーには着信しません。どうせ転送しているので放置でも良かったのですが、

http://blog.goo.ne.jp/kackyyy/e/cd1dbd1ff76ca4c73eaf18b96e9039bd

を参考に 00090015 宛てに本文 1234 の SMS (Cメール)を送るとメールが携帯に着信するようになりました。

そして iPhone 6 をアップルストアで買って IIJ mio にしました。安上がりな上、docomo の回線なので山など僻地でつながりやすいのが最大のメリットかも。

日光男体山(二荒山)

地図

男体山は標高 2486 m の成層火山です。7,000–14,000 年前に噴火し、湯川を塞き止めて中禅寺湖華厳の滝を作り出したようです。地図で見ても円錐型のてっぺんに火口の窪みもあり、火山らしい形の山です。標高 1274 m の中禅寺湖から1200 m 余りを一気に登ります。

始発の東武日光線東武バスを乗り継いで登山口に辿り着いたのが9時半頃。一応登山口の二荒山神社に参拝し、入山料の500円を支払ってお守りをもらいます。(まあ、神社にとっては山頂の奥の院への拝観料という位置づけなんでしょうが。)

二荒山神社から男体山

道は樹林帯の単調な斜面をひたすら登ります。かなりの傾斜があるので、荷物が多いと大変です。身軽な装備で日帰りが良さそうですね。途中3合目から4合目は工事用の林道に出ます。傾斜も緩く少し気分が変わりますが、その後はまたほぼ同じ斜度の道でした。途中に岩場もありますが、神社が管理しているのか、かなりしっかりと鉄パイプやロープなどで補強されていて、登山者向けというよりは、ちょっとハードな参拝者向けの道とでも言うべきでしょうか。

台風が接近していたので天候はちょっと心配だったのですが、幸い好天に恵まれました。水場などはないので、水分の補給は大変ですが。

山頂までの標準的なコースタイムは3時間半なのですが、3時間弱で登ってしまいました。山頂で昼食。山頂から 2398 m のピークまでお鉢をぐるりと回るような点線が地図にあったのでたどってみたかったのですが、途中で道が切れ落ちていました。崩落して通れなくなったのか、それとも岩場を下るのでしょうか。

志津乗越に下る道は、やや穏やかですがやはり急な下りでした。長い林道を歩いて三本松のバス停へ。東武が運行する路線バスは、豪華な観光バス仕様でしたが、運賃も意外に高くてびっくりしました。観光地価格ですね。せっかくなので、濁った硫黄分の多い温泉に入って汗を流しました。

帰りに見た華厳の滝の脇に、立派な柱状節理がありました。これは男体山の溶岩が固まるときにできた構造ですね。

華厳の滝もかなり水量が多くなっていて、立派でした。

ちょうどこの日、木曽御嶽が噴火したため、下山後に「大丈夫か、御嶽に行ってないか?」というメールが入っていて驚きました。

京都から富士山が見える理由

理論上富士山が見える最も西の端で、実際に富士山が撮影された、ということがテレビでも報道されていました。

日本の山岳展望史上、最大の課題であった京都府からの富士山が、ついに撮影されました。
理論上は見えることがわかっていても(こちら参照)、現地の状況、気象条件などから、撮影は不可能と思われていました。
それが、この間、様々な富士山に関する遠望写真の記録を塗り替えてこられた(こちら参照)、奈良県の住職 新林正真さんがついに撮影されました。

ついに撮った! 京都からの富士山 より


この京都にある「西限界」とは、このあたりのことですね。


スゴイことだと思うのですが、これがどういうことなのか充分に理解されていないような気がするので、ちょっと書いてみます。私は山岳展望についてはそんなに詳しくはないので、間違いなどあったらご指摘いただければ幸いです。

地図上でざっと見積もると、この西限界から富士山剣ヶ峰まで、およそ 260 km あるようです。これだけの距離があると富士展望には、地球の丸みを考慮しないといけなくなってきます。

このようにざっと計算してみると、3.8 km 程度の高さの富士山の山頂が、水平線(地平線)の下およそ 0.4°あたりに位置しているはずです。この距離だと平地からは富士は見えず、高い場所からしか見えませんし、近くにちょっとした障害物があるだけでも見えなくなるはずです。「西限界」は標高 900 m 程度のようなので、この条件を満たしているのでしょう。一方、富士山がよく見える東京から富士山までの水平距離はおよそ 100 km です。同じように計算すると、富士山の根元は水平線の下 0.45°になりますが、山頂は水平線の上およそ 1.7°の高さに見えているので、高い場所に登る必要がありません。もちろん東京からだってちょっとした丘やビルに遮られますが。実際、東京には富士見橋とか富士見ヶ丘とか、富士の名を冠した地名がたくさんありますね。



地図は OpenStreetMapuMap より。

この京都の西限界から富士山に直線を引いてみると、ちょうど比良山系の低い場所を貫き、琵琶湖を渡って鈴鹿山脈と養老山脈の北端辺りを抜け、濃尾平野を越え、南アルプスの光岳の脇から富士を見ていることがわかります。近くに障害物がないことが幸いしているようです。(正確には地図の投影図法による誤差がありそうですね。)

奈良の僧侶がこういうことを成し遂げたということもまた感慨深いです。槍ヶ岳など日本のさまざまな山の初登頂が、僧侶や修験者などの宗教家によって行なわれてきたと言われています。山は日本の宗教的な「何か」と深く結びついていからかもしれません。そしてこれもまた、日本の山岳史の一角を飾る快挙ですね。この場所には「平成富士見峰」とか、何かカッコイイ名前を付けてほしいなと思います。

富士山写真
写真は南アルプスから見た富士