minofoto and miscellaneous notes

個人的な備忘録ですが、たまに広く読んでもらいたい記事を書くこともあります。記事は随時修正したり追記したりすることがあります。

より長く働いてもらうためのスキル

ちきりん氏の「解雇するスキル」
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20120224
を読んで違和感ありまくりでした。なぜなら、文章が唐突で全く具体的な話がなかったからです。もちろん、こういうデリケートな話について、具体的な話は迂闊にはできませんけどね。

一方、常夏島日記の「解雇するスキルなんて、いまやそこらじゅうに転がっているよ」
http://d.hatena.ne.jp/potato_gnocchi/20120224/p1
は具体的な話で、解雇なんて今や普通にある、ただし、正社員を除く、という話でした。これはその通り、だと思いましたが、働く組織といっても世の中にはいろんな形があるので、人によって見え方は随分違うのでしょうね。

私はトップも管理職も全員有期雇用という類い稀な組織にいたこともあるのですが、逆にそういう解雇が当たり前の世界にいると、難しいのは良い仕事をしてもらうために、いかにして有能な人を引き止めるかということです。そして、そういう人に腰を据えて良い仕事をしてもらうにはどうすればいいか、という方法です。

解雇リスクがある場合、人は長期プランを見据えた仕事ができなくなります。むしろ短期間で以下に自分のキャリアにプラスになることだけをやるか、ということを考えるようになります。しかし往々にしてそれは組織の目的と矛盾することになります。だから、特に能力のある人や見込みのある若者には腰を据えてその人の能力を磨いて欲しいと思うわけです。折りに触れキャリアについてその人と話し合ったりして、なるだけ目をかけてあげたいとも思うわけです。一方で、ふらふらしていて自己中心的、近視眼的な仕事のやり方しかできない、いつやめるかわからない人に教育コストをかけるのは無駄なので、なるだけ周囲に迷惑を掛けないように取り扱い、仕事上に支障の出ないタイミングでの解雇をひそかに目指して行動することになります。

難しいのは、これらの人は外面的には同じ立場なので、制度上区別して取り扱うわけにはいかないということです。後者に厳しくしようとすると、必然的に組織内部のルールとして厳しいものができてしまう、それは前者の仕事の裁量を奪ってしまいかねません。

解雇なんて制度が整えばそこまで難しくありません。(まあ、その制度作りが政治的に難しいのですけど...)
でも、本当に難しいのは、やめさせられる人を横目に見ながらも、やめてもらいたくない人に安心して働いてもらい、その人たちの能力を育成することと、その能力を充分に発揮してもらえる環境作りではないでしょうか。そちらの制度設計はかなり難しいのではないか、と思います。