minofoto and miscellaneous notes

個人的な備忘録ですが、たまに広く読んでもらいたい記事を書くこともあります。記事は随時修正したり追記したりすることがあります。

漢方は有効か?

一時期、随分と漢方医学中国医学にハマっていました。
その理由は二つ。

一つは、口内炎の頻発に悩んでいたとき、たまたまある漢方薬を飲んだら劇的に効いたことです。

もう一つは、ある病気で通院している時に、下痢に対して附子(トリカブト)を含む漢方薬を医師に処方され、それが驚くほど効いたことです。

下痢はまだしも、口内炎については病院に行ってもステロイド入りの軟膏を処方されるだけのことが多く、それが効いたと実感することはまれでした。私は口内炎ができると口だけでなく、全身に症状が出るのです。イライラしたり、だるくなったり、胃腸がおかしくなったり、肩こり腰痛になったり、と。医師にそういう症状を訴えてもまず相手にされません。医師の頭の中にはおそらく「不定愁訴」という言葉が頭に浮かんでいるんだろうな、と思います。しかし、漢方薬にはそういう症状が記載されており、相手にされないどころかその症状を含めて効いた、というのがハマった理由だろうと思います。

しかし、それも過去形です。

最近はかつて使っていたその漢方薬は私の口内炎には全く効かなくなりました。成分が変わったのか、それとも私の体が変わったのか、私には分かりません。その後、漢方の専門医にかかって煎じ薬からなる様々な処方を試しました。かなり大枚を払っていろんな薬を試しましたが、特に効く薬は見つかりませんでした。

そういう風にして、現在の標準医学、いわゆる西洋医学が口内炎に手が出ないのには理由があるのだということを、自分の体を実験台にして理解しました。おそらく、「口内炎」と一口に言ってもその原因には様々なものがあるのでしょう。その原因を理解しないでたまたま薬が効いたとしても、その有効範囲がどこまでかを理解しないことには、治療に使えません。漢方医学はその有効範囲を見定めることが医師の「職人芸」に任されているところがあり、「効かないのは医師の腕が悪かったからだ」と言えてしまうのがなんとも厄介なところです。

漢方医学は効くものもあるが、効かないものもある、そしてその判定はとても難しい、というのが私が理解したことです。

おそらく、逆にちゃんと効く処方があり、その有効範囲を理解したなら、それは標準的な治療として、いわゆる西洋医学に取り入れることができるのでしょう。

しかし、その判定は難しいのです。

なぜか。

いわゆる西洋医学の標準治療にするためには、医学的に有意に効くことを証明しなくてはなりません。しかし、その証明は容易ではありません。コストをかけて患者を説得し、対照群を作って有効性を検証する、その過程を省いて作られたのが伝統医学だろうと思います。

中国の医学は俗に「中国四千年の歴史が証明した」などと言われますが、その歴史をかじると、現在にまで残る優秀な処方を作ったのは決して多くの人ではなく、特定の優秀な人物の職人芸的な技量によって処方が作られたのではないか、という印象を抱きます。その人物は多くの患者を診察し、その経験による職人芸的な統計によって有効範囲を定めていったのだろうと思います。それがさらに伝承されて残ったものがいわゆる中国医学であり、漢方医学なのでしょう。コストがかからない代わりに、誰にでもできるものではないのが、伝統医学と言えるでしょう。

伝統医学も難しいのですが、コストがかかるのも、決してありがたいことではありません。これからの時代は、医療にかかるコストがますます大きな問題になってくるでしょう。そのバランスをどうやってとるのか、我々は考えてゆかないといけないのでしょうね。


ちなみに、私の場合は、たまたまヨーロッパを訪れたときに口内炎が悪化しなかったことから、ひょっとして硬水がいいのではないか、ミネラル不足で口内炎が悪化するのではないかという仮説を立てて、今のところかなり良く効いています。しかし、今回は口内炎が悪化して痛くてたまらないので、この文章を書きました。