minofoto and miscellaneous notes

ごく気まぐれに,書きたいことを適当に書いています。本当の話かもしれませんし,フィクションかもしれません。

名付け

暑くなったら AirMac Express がまともに動かなくなりました。室温はせいぜい 30℃くらいなのですが、電源を入れて数分で熱暴走するようになり、とうとう氷で冷やしても動かなくなりました。かえって氷で冷やしたのがいけなかったのかもしれません。

ということで新しい無線 LAN ルーターを買いました。新品で 3000円台とは安くなったものです。

家の外まで電波を飛ばす必要はありません。出力が弱い方が寿命も伸びるでしょう。出力を 50% に落とし、室内全てで電波が入ることを確認し、そのあと家のまわりで遠くまで電波が飛びすぎていないかどうか確認しました。端末を持って家から離れると電波が途切れ、代わりに隣のマンションからでしょうか、たくさんの無線LAN基地局がリストに並びました。

どの基地局もランダムな数字のような SSID です。おそらくルーターの初期設定なのでしょう。意味の分かる名前のついたものはほとんどありません。わざわざ名前をつけたいと思う人は少数派なんでしょうね。

かつて、名付けこそ力だと教わりました。最近では宮崎駿の映画「千と千尋の神隠し」にその主題が語られていますが、あれは古い物語にくりかえし何度も出てくるモチーフです。天文家が自分の見つけた小惑星に名前をつけるのも、新たに発見したたんぱく質に気の利いた名前をつけるのも、子供の名前がキラキラネームだとか DQN ネームだとか騒がれるのも、みな古くから繰り返されてきた人の営みでしょう。

名付けをすることは、力です。名付けによって対象に愛を注ぐこともできれば、呪いをかけることもできるのです。

最近コンピューターやネットワーク機器にちゃんと名前をつける人が減りました。減ったというよりは、かつてのそういう文化を知っている人の方が少数派というくらい、皆にコンピューターが普及したというべきでしょう。壊れたら簡単に取り替えられるものに名前をつけるのもバカバカしいのかもしれませんし、そもそも名前を付けられることを知らないのかもしれません。それはわかりますが、でも、自分の使っているものにはちゃんと区別できる名前をつけた方が便利だと思うんですけど。