minofoto and miscellaneous notes

ごく気まぐれに,書きたいことを適当に書いています。本当の話かもしれませんし,フィクションかもしれません。

日本百名山

夏に山で出会った方が「百名山全踏破」を目指して山登りをされている話を興味深く聞きました。百名山とはもちろん深田久弥氏が著した「日本百名山」という随筆集のこと。そして、そこに紹介された日本の百の山のことですね。これらを踏破するには若いうちに劒岳や鹿島槍など本州の険しい山を登っておき、歳取って時間とお金に余裕ができてから北海道や九州など遠い山を登ればいい、と言われたのをなるほどと聞きました。

学生時代に山に登っていたときは、百名山を目指す年配の方々のことを暗に馬鹿にして「百名山主義者」などと呼んでいたことを思い出します。山の良し悪しは自分の足で登ってみて判断すべきであり、そういう既成のリストに頼って考えるのを放棄することは...などと息巻いていたのでした。今思うと実に生意気ですね。気がつけば自分もそういう年ごろになりつつあります。

それはともかく、触発されて深田久弥の本を再び手に取りました。学生時代にも繰り返し読んだ覚えがありますが、改めて読んでもなかなか良い本です。交通事情や山の状況も少しずつ変わってきているのに、ほとんどの記事が古くなりすぎていないのは、やはり深田氏が多面的な観点からよく考えて山を選定しているからでしょう。ここから私が学びたいのは、どのようにして百名山を選定したのか、そしてそこに辿り着くまでにどのように自分の視点を持って山を楽しんできたのか、ということです。

この山脈から、もし一つの山を選ぶとしたらどれだろう、という疑問が、まだ地図でしか日高を知らぬ私の胸に久しく宿っていた。  〜幌尻岳

「私がまず武尊山に甚だしく惹かれたのは、すばらしい立派な自然としてであった。上越国境から、例えば谷川岳の上からでもいい、東の方を望むと、長大な障壁のような山が見える。  〜武尊山

深田久弥氏は古今の山に関する膨大な文献を集め、山に登れないときは地図を眺めるか山の本を読んでいたと伝えられています。昭文社のガイドマップを頼りに登るだけの私たちとは比べ物にならないほどの深い造詣を持って山を眺め、山々を登ってきたようです。

ちょっとだけですが、その真似をしたいと、地図で遊び始めました。ネット上のスクロール、拡大縮小が自在にできる地図を眺めていると、ひとつひとつの山の地形から、山と山との関連性、山と都市との関係などいろんなことを考えたり想像して楽しむことができます。これは、地形図一葉だけや、昭文社の登山ガイドマップだけを見ているときとはまた違う楽しみですね。

(まだまとまらないので、こっそり自分だけで楽しんでいるだけですが、時間があったら整理して公開するかもしれません。)